可動域制限の原因と労働能力喪失期間について

交通事故により,上腕骨外科頸骨折後の肩関節の可動域制限,橈骨遠位端骨折後の手関節の可動域制限,脛骨近位端骨折後の膝関節の可動域制限などがありますが,可動域制限の原因について説明します。

 

 

関節内骨折で,骨折した骨が転位したまま骨癒合した場合

  転位した状態で骨癒合しているため関節の可動が制限されて可動域制限を起こす。

  例:橈骨骨折で転位して骨癒合した場合に,手関節の可動域制限が残る。

関節内骨折で,骨折した骨が不正癒合した場合

  骨の不正癒合のため関節を動かすときに滑らかに動かなくなり可動域制限が発生する。

      併せて可動時の関節痛も発生する。

  例:脛骨高原骨折が不正癒合した場合

関節内の靭帯の断裂や損傷があった場合に関節の可動域制限が残る。

  例:脛骨外側顆骨折に併合して前十字靭帯・後十字靭帯の断裂又は損傷があった場合

  例:上腕骨骨頭骨折に伴って腱板断裂を合併した場合

骨折に伴って神経を損傷した場合に可動域制限が発生する。

  例:腓骨骨頭骨折で腓骨神経を損傷した場合に,腓骨神経麻痺による足関節の可動域制限              が発生します。

骨折によりギプスで関節を固定した場合に関節に拘縮を起こし可動域制限が発生する。

  拘縮「関節周囲の組織が何らかの原因によって被伸縮性を失うことによって,その関節が        一定の位置に固定したままの状態に陥り,他動的に動かすことができなくなった状態を指        す。

  皮膚,筋,筋膜,腱などの変化によって起こる。

  いかなる原因にせよ,ある位置に長時日固定されると,関節周囲組織には次第に線維化が        進み,拘縮は非可逆的な状態に陥るので注意が必要である。」

    例:脛骨遠位端骨折により足関節を含めてギブス固定した場合,ギブス除去後に足関節が              拘縮して足関節の可動域制限が発生する。

むち打ち症(頸椎捻挫・腰椎捻挫)の労働能力喪失期間について

赤い本では,労働能力喪失期間について,「むち打ち症の場合は,12級で10年程度,14級で5年程度に制限される例が多く見られるが,後遺障害の具体的症状に応じて適宜判断すべきである。」と記載されていることから,14級は5年が限度ではないことを示唆している。

また,現在の自賠責保険の後遺障害等級認定では,障害の永久残存性を厳格に審査されている現状である。本件事案は永久残存性が認められ別表第二第14級9号と認定されたのであるから,労働能力喪失期間においても十分に永久残存性を十分考慮すべきである。

本件事案は,頸椎捻挫後の頚部痛等の神経症状で14級9号認定となった。

以上より,本件事案は労働能力喪失期間を5年以上認定すべきであると主張しています。

実務では,14級の場合に労働能力喪失期間を7年で請求して,5年で合意して示談する場合が多くあります。

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