むち打ち詳細

後遺障害でポピーラーな頸椎捻挫について詳細に説明します!

むちうちについて

むち打ち症は俗称で,医学的には外傷性頸部症候群,頸椎捻挫の傷病名が付けられています。交通事故の場合に追突や出会頭の衝突で,頸部が過屈曲,過進展,過側屈,過旋回の4つの強制運動を受け

むちうち

た際に,骨,椎間板,筋肉,靭帯,神経などの組織に生じる損傷により,頚部痛,上肢のしびれ・知覚異常,頭痛,眼がかすむ,息苦しさ,めまいなどの症状が生じると外傷性頸部症候群,頸椎捻挫と診断されます。

初診の整形外科では,「頚椎捻挫にて今後2週間の加療を要する。」などの診断書が出ますが,なかには,治療が6カ月から長い期間では1年以上治療が続く場合があります。

一般的に,治療が6カ月を超えれば症状固定とされ,後遺障害の等級認定の申請をします。

      →後遺障害等級異議申立について知りたい方はこちらへ

頸椎損傷は次の4つに分類されます。

頸椎捻挫型(狭義)

ほとんどの頸椎捻挫はこの型に該当します。

自覚症状が中心となります。症状は,頸~肩~背部の痛みと運動痛,頭痛,頭重感,頚部痛,頚部運動制限および運動時痛,上肢のしびれ,頸~肩~背部の凝りなどです。

自賠責保険では後遺障害等級14級9号認定又は非該当になっています。

一般的に,14級が該当するためには。

ⓐ頚部痛が常時痛であること

ⓑ頚部痛が初診から症状固定まで一貫して訴えていること

ⓒレントゲンや頚部MRIで頚部の中等度以上の変性変化・加齢変化(椎間板ヘルニア,骨棘形成,     椎間腔の著しい狭小化,頸椎滑り症など)があること

Ⓓ神経学的検査で異常が認められる等の条件を満たし,頚部痛の訴えが医学的に説明できることが必     要です。

神経根症型

 脊髄から椎間孔の出口まで出ている頸神経の損傷による障害を神経根症と呼びます。

 肩・上肢における他覚的な神経症状が存在する。

ⓐ障害されている神経根支配領域の筋力低下,筋委縮

ⓑ障害されている神経根支配領域に一致して現れる自発痛,放散痛,知覚障害(知覚脱出,鈍麻)

ⓒ障害されている神経根が関与する上肢腱反射の異常(減弱,消失)などが診断のポイントです。

脊髄症型(脊髄損傷)

頸椎の脱臼や骨折を生じることにより脊柱管が狭くなり,狭くなった部位で脊髄が損傷されます。

『上肢症状』

ⓐ運動障害(上肢筋力の低下・巧緻運動障害)

ⓑ腱反射の異常

ⓒ知覚障害

 

『下肢症状』

ⓐ歩行障害

ⓑ腱反射の異常

ⓒ知覚異常

 

『膀胱・直腸障害』

ⓐ排尿便の失禁,尿閉,便秘

頸部損傷の程度によって,症状・障害の程度が違い,後遺障害の等級も違ってきます。

バレー・ルー症状型

 自覚症状を主体とし,他覚所見に乏しい(自律神経の異常は,通常の診療方法で診断することが難しい)交感神経節ブロック(星状神経ブロック)または,自律神経調節薬の内服によって症状の改善が得られることが多い。

『症状』

 頸部の交感神経は耳,眼,心臓,喉などの機能を調整しているが,頸部外相によってもたらされた頸部の交感神経の異常な興奮によってこれらの調整の異常を起こす。

ⓐ内耳の症状

 めまい,耳鳴り,耳閉感

ⓑ眼の症状

 目がかすむ,眼の疲れ,視力低下

ⓒ心臓の症状

 心臓部の痛み,脈の乱れ,息苦しさ

Ⓓ咽喉頭部の症状

 かすれ声,嚥下困難,喉の違和感

Ⓔ頭痛,頭重感

 交感神経の異常な興奮によってもたらされる後頭部,頸部の血管の収縮に起因する。

Ⓕその他の症状

  上肢や全身のだるさ,上肢のしびれ,注意力散漫など

頸椎損傷のメカニズムから治療まで

頸椎損傷のメカニズムの説明

1.首に加わる外力について。

  自動車で衝突したときに首に加わる外力は,首に加わる衝撃力を考える場合,次の.4つが重要な因子となる。

 

      ①衝突時の車の進行方向

      ②衝突時のスピード

      ③搭乗者の衝突時の姿勢

      ④衝突が搭乗者の意識下に生じたものか,無意識下に生じたものであるか。

      すなわち,遅いスピードで衝突しても不意の事故であれば首の筋肉を収縮させて頸椎を防御することはできな        い。また,追突事故であっても搭乗者が振り向いたときに発生したものであれば,通常の追突とは違った方向        で首に衝撃がおよぶことになる。

 

2.首の可動域を超える4つの運動

  衝突時の衝撃力によって首が受ける損傷の程度をより詳しく把握するためには,外力によって首がどのような        方向へ強制的に動かされたかを知る必要がある。

  正常の頸椎が動く範囲(可動域という)を超える場合,次の4つの運動が生じる。

  ①過屈曲(首を前に倒す運動)

  ②過伸展(首を後ろに倒す運動)

  ③過側屈(首を横に倒す運動)

  ④過旋回(首を右か左に捻るような運動)

 

3.首への衝撃力を推定する際にもう一つ重要な因子は,上記の過屈曲・過伸展・過側屈・過回旋の強制的な動き        が,どの程度のスピードで生じたかということである。 


頸椎捻挫の症状の経過

1.頸椎捻挫において症状が後日出現する場合は,ほとんど24ないし48時間以内であると言ってよい。

2.損傷組織が瘢痕組織となって一次的な修復が完了するまでの期間を急性期と言い,その期間を急性期といい, 

  その期間は一般的に受傷後3~4週間である。

3.損傷された筋肉や靭帯が正常組織に再び近づくのに要する期間を亜急性期という。

4.受傷後4か月目以降の期間を慢性期という。

5.受傷後6か月を経過すると一般的に症状固定時期と判断される。      後遺障害チェック&むち打ち慢性化


頸椎捻挫の治療

1.頸部損傷に対する治療は,傷病の型と経過によって違ってくる。

2.頸椎捻挫の急性期の治療としては,動き回ることを避け,出来るだけ臥床安静を取ることが望ましい。

3.頸椎捻挫における急性期の2週間は,患部の熱を取り,炎症反応を鎮めるために、冷湿布がよく行われる。

4.バレー・ルー症候群の治療にあたっては,頸部交感神経節の一つである星状神経節のブロックを行う。

5.神経根症や脊髄証の治療には,①保存療法と②手術療法がある。


頸椎捻挫の検査

1.神経学的検査には,①四肢腱反射検査,②知覚検査,③運動検査,④症状誘発テストなどがある。

2.腱反射の検査は客観性があり,反射の減弱・消失・亢進は神経系の障害を意味する。

3.ジャクソンテストやスパーリングテストなどによって症状が出た場合は神経根に傷害がある。

4.頸椎捻挫のバレー・ルー症候群では患者の訴える内容により,

      ①聴力検査,②視力検査,③心電図,④平衡機能検査,⑤筋電図,⑥脳波などの検査が行われる。

5.神経根症,脊髄証の検査では一般的に,①断層撮影,②ⅭT,③МRIなどが行われる。

頸部損傷及び腰部損傷の一般的な考え方の説明

交通事故などの外傷による頸部損傷や腰部損傷は,明らかな骨折や脱臼を伴わず。靭帯,筋肉,椎間板などの支持軟部組織の損傷を主体とする疾患を包括的に,頸部であれば頸椎捻挫,頸部捻挫,外傷性頚部症候群,むち打ち損傷と呼び,腰部であれば腰部捻挫,腰椎捻挫と呼びます。

腰椎捻挫、椎間板疾患について

・通常,患者の70%~80%は3か月以内に症状が軽快するとされており,

   それ以上長期の治療を要する難治例は少ない。

・しかし,頸椎捻挫,腰椎捻挫の病態は複雑であり,難治例の原因についても不明なことが多い。 

 

・難治例の原因と考えられるのが,

    1.うつ病などの精神・神経疾患で治療中や既往歴がある人。

    2.過去に頸椎捻挫・腰椎捻挫の既往歴がある人。 

    3.退行変性(老化現象)で,脊椎に骨棘形成,椎間腔の狭小化が多くの椎間にある人。

  4.既往症として,脊柱管狭窄症,椎間板ヘルニア,後縦靭帯骨化症などのある人。

 

 ・その他治療が長期化する例

  1.女性の中高年で更年期障害のある人。

  2.賠償問題で加害者・保険会社と被害者が感情的なトラブルのある場合。

  3.被害者意識・賠償請求意識の強い人。 

  4.賠償保険金を多く取ろうとして意識的に治療を長引かせる。

  5.詐病 

    14級9号認定される可能性を知る


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